相続登記とは

亡くなられた方が土地・建物を所有していた場合に、登記を相続人の名義にする手続きです。
今のところは登記をせずにいても罰則が存在しないので、空き家問題などの原因となっており、深刻な問題となっています。これを受けて2021年4月に、「相続登記の義務化」についての改正法案が可決されました。 

2024年を目途に施行される見込みですが、それ以降生じた相続について登記を一定期間怠ると罰則が科されようになります。
相続登記を放置していると罰則以外にも様々な問題が発生しますので、是非早めにご相談ください。

相続登記を放置しているとどうなるの?

相続登記を放置しておくと、様々なリスクがあります。代表的なものとしては以下のようなものがあります。

1.相続人がどんどん増えていってしまい、話し合いが出来なくなる

例えば不動産の所有者がお父さんだったとして、相続が起きたときには妻と子どもだけが相続人だったとします。すぐに相続登記をするのであれば、妻と子どもの二人だけで相続登記の手続きが可能です。しかし相続登記をせずに妻が何年後かに死んでしまい、妻には前夫との子がいたとします。                      こうなると、妻の相続分を妻の前夫との子どもが引き継ぐことになるので、所有者の子と妻の前夫の子とで遺産分割協議をしなくてはいけなくなり、話し合いがスムーズに行かなくなる可能性が非常に高くなります。

相続人は放置していくと通常増えていくことが多いので、中には相続登記を放置した結果50人以上に相続人が増えてしまった、なんていうこともあります。相続登記には全員から実印を押して貰って遺産分割協議書を作成する必要があるのですが、ここまで行くと不可能なことがほとんどです。

2.相続人が認知症になってしまう

相続登記をするには基本的に遺産分割協議という話し合いが必要になりますが、認知症になってしまうとそれが出来ません。

この場合は成年後見制度を使って成年後見人を選任する必要がありますが、手間も時間もかかるうえに、成年後見人は被後見人の相続分を保全する必要があるので、不動産が共有になってしまって有効活用できない場合もあります。

3.売却が出来なくなる

不動産の名義が故人名義のままだと、そのまま買主に名義を移転出来ないため、売却するには必ず相続登記が必要になります。
たまにあるのが、ご自身で相続登記をされていて、私道部分だけ漏れていたような場合があります。この場合も私道部分も改めて相続登記をしなければ売却は出来ません。
1で上げた問題につながりますが、私道部分を登記しようと思ったら相続人が増えていて出来なくなった、という場合も少なくありません。

4.不動産の権利を失ってしまう恐れがある

不動産の所有者が亡くなって、相続人が長男と二男の二人だったとします。
兄弟で話し合って不動産の所有権は長男が取得すると合意したものの、登記はせずに放っておいてしまいました。

この場合、二男が勝手に法定相続分(長男と二男で各2分の1ずつ)で登記してしまい、二男の持ち分を第三者に売却され、登記までされてしまったらどうなるでしょうか?

民法177条の規定によると、この場合先に登記した第三者に対して長男は権利を主張することが出来なくなります。

またこのことは遺言で長男が不動産を相続した場合にもあてはまります。
今までは遺言があれば登記がなくても「相続させる」旨の遺言による物権変動を第三者に対して主張できると解されていました。しかし、民法の改正により、この場合についても登記を先にしなければ第三者に対して権利を主張できなくなりました。(民法899条の2)

(共同相続における権利の承継の対抗要件)
第899条の2 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第981条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。

不動産を相続したら、一刻も早く相続登記をしておく必要があります。

こんなお悩みはありませんか?

  • 不動産を相続した
  • 昔不動産を相続したが名義変更をしていない
  • 誰に相談すると良いかわからない
  • 忙しくて時間がない

サービス内容

  • 戸籍の取得
  • 相続関係説明図の作成
  • 遺産分割協議書の作成
  • 不動産登記申請書の作成
  • 不動産登記の申請