相続登記の義務化で慌てないために|知っておきたい手続きの流れ
最終更新:2025年8月21日
2024年4月から、相続登記は期限内に行うべき手続きになりました(過料の可能性あり)。ただ、やることは決まっています。順番を押さえれば落ち着いて進められます。ここでは不動産に絞って流れを整理します。
義務化のキホン(まずここだけ)
- 期限:相続で所有権を取得したことを知った日から3年以内
- 放置リスク:過料(10万円以下)のほか、売却・担保・名義変更ができない
- 早めが吉:時間が経つほど相続人が増える/連絡不能などで難航しがち
全体像(ざっくりとした流れ)
- 相続人の確定(戸籍収集)
- 不動産の特定と評価の把握
- 遺産分割協議(書面化)
- 登記申請書類の準備
- 法務局へ相続登記の申請
手続きの流れ(不動産に特化して詳しく)
1. 相続人を確定する
出生から死亡までの戸籍一式を収集し、配偶者・子・兄弟姉妹・甥姪まで漏れがないか確認します。前婚や認知の有無など、見落としが出やすい工程です。
※ 戸籍・住民票は、司法書士が職務上請求で取得できます(遠方の役所も対応)。
2. 不動産の特定と評価の把握
- 登記事項証明書で所在地・地番・家屋番号・共有持分・地目等を確認
- 固定資産評価証明書(最新年度)で評価額を確認
- 必要に応じて名寄帳、公図、地積測量図等で詳細を確認
- 住居表示と地番の混同に注意(管轄法務局は「不動産の所在地」)
3. 遺産分割協議を行う
相続人全員で不動産の帰属(誰が相続するか)、共有にするか、代償金の有無・金額、支払い時期を決め、遺産分割協議書に明記します。ご依頼を頂いた場合、司法書士が作成いたします。
4. 登記申請書類をそろえる
- 被相続人の出生~死亡までの戸(除)籍一式・住民票除票など
- 相続人の現在戸籍・住民票または戸籍附票
- 固定資産評価証明書(最新年度)
- 遺産分割協議書(相続人全員の実印+印鑑証明書)
- 相続関係説明図
- 委任状(司法書士に依頼する場合)
※ 権利証(登記識別情報)は相続登記では通常不要です。ケースにより添付物が追加されることがあります。
5. 法務局へ申請する
不動産の所在地を管轄する法務局へ申請。1か月ほどで登記が完了し、新しい登記識別情報(権利証)が発行されます。
不動産の相続登記でつまずきやすい所
- 地番・家屋番号の取り違え:住居表示と別物。登記事項証明書で確認
- 私道や共有持分の見落とし:評価証明や名寄帳で漏れチェック
- 評価証明の年度違い:最新年度を取得
- 物件が複数市区町村に散在:評価証明・管轄が分かれる点に注意
準備チェックリスト(始める前に)
- 不動産の所在地リスト(住所・地番・家屋番号)
- 固定資産税の納税通知書・名寄帳(物件の漏れ確認に便利)
- 家族関係のメモ(兄弟姉妹・甥姪、前婚の有無など)
- 実印・印鑑証明(早めの準備が安心)
よくある質問
Q. 3年の期限に間に合わないかもしれません。
A. まず現状を整理しましょう。戸籍・評価証明・協議書を先に整えると短期間でも間に合うことが多いです。
Q. 司法書士はどうやって選べばいいですか??
A. 相続登記に強く、費用と進行が明確な事務所が安心です。①見積の内訳と追加条件、②申請までの目安日数、③固定担当と連絡の速さ——この3つを確認しましょう。
Q. 書類の取り寄せはお願いできますか?
A. はい。司法書士が職務上請求で戸籍・住民票を取得できます。遠方の役所でも対応可能です。
まとめ
- 相続登記は3年以内。早めの着手が近道
- 流れは「相続人の確定 → 不動産の特定と評価 → 協議書 → 申請」
- 地番や共有持分など不動産特有の落とし穴に注意